〜アメールの洞窟 第9層〜




そこは、人骨や魔物骨と思われし物が転がっていた。
「おい。どこにもいねえぞ」
「う〜ん。これは怪物は今どこかで散歩している可能性がありますね。」
エドはカノンノの方を向くと、さっきまで赤かった顔が、今度は青ざめていた
「どうしましたか?カノンノさん」
「あ・・・・・・あ・・・・・・・・・・・・・あれ・・・・・・・・」
みんな上を見ると、

40メートルは余裕に超えていそうな化け物が天井に張り付いていた。
その羽は、その巨体には必要のないようだが、巨大な目が描かれていて、頭には、角が6本は生えていた。
その化け物の形相は、まるで鬼神だった。
「でかっ・・・・・・・!!」
エドは驚きの隠せない顔をしていた。
次に、その化け物は奇声を上げながら、天井を離れて地上に降りてきた。
ジェイドは、スぺクタルズでその化け物のデータを読み取った
「どうやらこの怪物の弱点は火のようです。」
その言葉を聞いた後、カノンノは、我に返ったように剣を抜いた。
「カノンノさん。火属性の魔法をよろしくお願いします。」
カノンノは、体制を整えて肺のなかの空気を全て使って返事をした。


カノンノが動き出した瞬間、空気中に火柱が立った。
その火柱は化け物の腹に風穴を開け、まるで電源が切れるかのように倒れた。
「え?」
カノンノは、さっきまで倒そうとしていた相手が居なくなって、茫然としていた。

「この炎は・・・・・まさか・・・・・・」
そのまさかだった。
あのエドに賢者の石の嘘の情報を流し、山賊と戦わせ、
しまいには俺たちに火を放っていた奴だった。
「ああ。先客が居ましたか。」
その賢者の石の嘘の情報を流し、山賊と戦わせ、
しまいには俺たちに火を放っていた奴は、さっきまで使っていた手を下ろした
「た―――――――い――――――――佐―――――――・・・・・・・・・」
「はい?」
「おめえじゃねえ!!!!」
エドは大声を上げた後、再びマスタング大佐に目を向けた
「あのときはよくも賢者の石の嘘の情報を流し、
山賊と戦わせ、しまいには俺たちに火を放ってくれたなあ・・・・・」
「私は嘘は言っておらんぞ」
「うそつき!!大嘘つき!!!!!!てめえしら切るつもりかあ!!」
エドはマスタングの襟首をつかんだと同時に、マスタングは口を開いた
「君たちが盗ろうとしていた宝石の中に賢者の石が混じって入っていたのだ。したがって私は嘘をついていない」
「・・・・・・え?」
「ところでアルフォンス君が見当たらないが」
「あ。いや。その・・・・・・・あの・・・・・」
エドはさっきまでとは違い、かなり大汗をかいていた。
「彼はどうしたのだ?」
「・・・・・・・・はぐれました」
マスタングは鼻で笑うと、ジェイドに目を向け挨拶をした
「これはこれは。うちの狗が世話になってます。」
「おいこら!!てめえ今なんつった!!??」
「いえいえ。随分凶暴な狗で」
「てめえら最悪だあああああああ!!」
泣きながら抗議しているエドの前に、また二人やってきた

「ちょっとマスタングさん。足が速いですよ。」
「ペリアンスト・パーリアルチャリアチアニス・ティア!!」
一人はエドと同じ位の年の少年で、エドと同じく金髪でアンテナが付いていて、青い服を着ていて、刃がのこぎりみたいな
剣を持っていた。
もう一人は、またエドと同じくらいの年の少女で、肌は小麦色で、頭に青くて丸いピンをさしていて、頭には
変な小動物を飼っている。エドが最初に戦ったあの魔物とわ少し違うようだ。

ジェイドは、この二人の存在には気づいたようだ。
「おや。この二人は?」
「ああ。右にいるのがメルディさんで、
もう一人がアンテナ君だ。」

「おいちょっと待てええええええええ!!!!」
マスタングが紹介を終えた瞬間に、金髪の少年が抗議してきた。
「てめえしかつかっていないあだ名で答えるなあ!ちゃんと名前を言えええええええ!!」
さっきまでの態度と違く、あきらかに豹変していた。
「なるほど。アンテナ君ですか。」
「てめえも納得すんなあ!!!俺はエミルだ!!エミル・キャスタニエ!!」
これで語り終えたのか、息を切らしていた。
「それでは、ここで話すのもなんですから、私たちのギルドで話しませんか?」
エドは来たよ・・・・という感じの顔をしていた。
こういう誘いは大佐の得意分野だから、みんななんの躊躇もなくついて行った。
「あ。カノンノさんは帰ってくださいね。」
「え?」
「だってあなた風邪をひいてるみたいですし、足手まといになりそうですから
その言葉を聞いて、カノンノは心にライフルが貫いたらしく、ついに表でも泣いてしまった
「おいさすがにこれは可哀想だろ」
「まあまあ黙っててくださいよ。」
エドはこいつがドSであることを実感し、もうこれ以上はなにも言わなかった。
「どうせ私の居場所なんて・・・・・・・・」
多分このダブル大佐以外はカノンノのことを哀れに思っているだろう。
エドは引き止めようとしたが、その前に泣き叫びながら走って帰って行った。


「ところで、あなたたちはなんていうギルドなんです?」

「ああ。レメインズっていうんですよ。」

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